1232年・寛喜4年(4月2日改元)・貞永元年 壬辰(みずのえたつ) 11歳
後堀河天皇
四条天皇 在位1232年・貞永元年10月4日~1242年・仁治3年1月9日
北条泰時
1月19日
華厳宗・明恵高弁 寂60歳(元亨釈書・明恵上人伝記・定真備忘録)
4月7日
幕府 新補地頭の所務につき7条を制定(吾妻鏡)
7月10日
幕府の評定衆11人 連署起請文を提出(吾妻鏡)
7月12日
幕府 住阿弥陀仏の鎌倉和賀江島築港を援助する(吾妻鏡)
8月9日
往阿弥陀仏 鎌倉和賀江島に築港
8月10日
北条泰時 御成敗式目51条(貞永式目・幕府の新しい基本法典)を制定し公布
吾妻鏡
「十日 御臺所御願堂舎、建立日時、被定之。又武州令造給、御成敗式目、被終篇。五十箇條也。今日以後訴論是非、固守此法、可被裁許之由被定〈云云〉。是則可比淡海公律令歟。彼者海内龜鏡、是者關東鴻寶也。〈元正 天皇御宇、養老二年戊午。淡海公、令擇律令給〈云云〉。〉」
御台所御願の堂舎建立の日時これを定めらる。また武州造らしめ給う御成敗式目その篇を終えらる。五十箇條なり。今日以後訴論の是非は、固くこの法を守り、裁許せらるべきの由定めらると。これ則ち淡海公の律令に比ぶべきか。彼は海内の亀鏡、これは関東の鴻宝なり。元正天皇の御宇養老二年戊午、淡海公律令を撰ばしめ給うと。
国会図書館・デジタルコレクション 群書類従 第499 御成敗式目
東京大学 Twitter 御成敗式目
8月
尊性 天台座主に重補(天台座主記・一代要記)
彗星出現
吾妻鏡
「閏9月4日 辛亥 霽
寅の刻彗星乙方に見ゆ。庚方を指し、長二尺・広八寸・色白赤。この変白気・白虹・彗星未だこれを決せず。本星分明ならざるに依ってなり。和以降本星無き彗星出現の例、度々に及ぶと」
「閏9月8日 乙卯
この両三日或いは陰或いは雨降る。今暁適々青天を見る。彗星猶出現す。光芒気を増す。長二丈・広一尺余、同方を指す。逆行一許丈、南行四尺、東山を去ること五尺ばかりなり」
「閏9月9日 丙辰 晴
天変日来の如し。色白く光長し」
「閏9月10日 丁巳 霽
変気の御祈りを始行せらると。
修法
八字文殊(信乃法印)雑掌(和泉の守)
一字金輪(松殿法印)雑掌(出羽の前司)
尊星王(宰相法印) 雑掌(佐原五郎左衛門の尉)
北斗(松殿法印) 雑掌(城の太郎)
薬師(丹後僧都) 雑掌(駿河入道)
愛染王(加賀律師) 雑掌(土屋左衛門入道)
御当年
一壇(助法印) 雑掌(陸奥の五郎)
一壇(越後法橋) 雑掌(隠岐入道)
鶴岡宮
仁王会御神楽(政所沙汰と)
御祭
三万六千神(晴賢) 雑掌(武州)
天地災変(親職) 雑掌(相州)
属星(晴幸) 雑掌(宇都宮修理の亮)
天冑地府(宣賢) 雑掌(大和左衛門の尉)
泰山府君(経昌) 雑掌(足立の三郎)
七瀬御祭(晴茂・重宗・晴秀・清貞・泰宗・道氏・文親)」
「閏9月15日 壬戌 晴
彗星微薄芒気見えず。遂に以て軸星無し。行度有りて数日出現すること先例無し。希代の変災たるの由、天文道等これを申す」
「閏9月20日 丁卯 晴
変災の御祈りに依って鶴岡に於いて臨時の神楽有り。将軍家御参宮。相州・武州・石山侍従(教定)・陸奥式部大夫・民部少輔・周防の前司・左近大夫将監(佐房)・駿河の前司・上野の介・和泉の守・駿河判官・土屋左衛門の尉・嶋津三郎左衛門の尉以下供奉す」
「閏9月26日 癸酉 晴
今日御台所の御祈り等これを行わる。また鶴岡宮寺に於いて、百口の僧を屈し仁王会
を行わる。云うにこれ彗星の御祈りなり。
彼の呪願文に云く、
牟尼釈範 仁王妙文 一部金乗 両軸寶偈 通二諦道 開五忍尽 佛界庠蔵
法門枢健 極聖目足 大士肝心 実智挙燈 慧輝瑩鏡 一四天下 三千界中
褊日月明 破国土暗 排般若蔵 解露一封 捧摩尼輪 降雨万寶 天上妙薬
甘露染唇 海中寶珠 法水潤色 吉海舟楫 飛化度帆 護国劔刃 磨勝利刀
満足悉地 早於龍蹄 被膽諸天 扣得麟角 彼佛本誓 方便無量 斯経大慈
効験利□ 感応之至 得而難称 霊威之通 仰而取信 従初三晩 迄弟九晨
白気聳東 蒼穹驚下 司天所告 懇地不閑 称星称蛇 数丈数尺 変異縁底
畏途覆水 恐懼多端 休門相泥 何況閏月 加干暮秋 愉慎紫霄 漸送素律
又是年厄 太一定分 因茲日来 無貳方寸 仰佛天応 丹祈翹誠 呪幽明霊
請微運志 新本吉日 就八幡宮 敬屈臥雲 展百講席 非仮佛力 誰競天災
非浴神恩 爭禳時妖 白法不妄 金言無私 縦雖彗星 蓋鎖法雨 玉燭照洞
表壽星祥 香烟薫空 彰慶雲瑞 宮闕月朗 狎葉縣烏 羽林風和 戯華表鶴
正室翠帳 伴岩松栄 将軍華亭 譲石椿算 家門千輩 華夷兆民 楽有道邦
誇無為世
貞永元年閏九月二十六日」
10月2日
藤原定家 「新勅撰和歌集」を奏進する
11月2日
幕府 六波羅に成敗法16条を下す(吾妻鏡)
この年
親鸞 関東を発し京都に向う(真宗高田派正統記・門跡伝)